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ハーシェルの独り言

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ゆかりさんと学ぶ哲学用語『ナショナリズム』世界を席巻させる共同体意識【VOICEROID解説/哲学】

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以下は動画内文字起こし

 

 

今回は政治的哲学用語「ナショナリズム」についてお話していこうと
思います。
ナショナリズムって言葉自体は、テレビやニュースなんかでよく聞く事のある
言葉だと思いますが、実際の所、その言葉の意味って考えてみるとイマイチ
良く分からない所がありますよね。

まぁこの言葉自体が多様な意味を含んでいますので、人によってはなんとなく、
悪いイメージや、逆に良イメージを持っているかもしれません。
それほどにこの「ナショナリズム」という言葉は政治的に多様的で、かつ
近代国家の成り立ちに大きく関わってくるような言葉なのです。

では早速「ナショナリズム」を見ていきましょう。

ナショナリズム」とは、と言いたいところですが、この言葉を端的に表すには
やや難しい用語です。そこで一般的にナショナリズムを語る上での議論の出発点として
語られる著名人の言葉を引用すると、
ナショナリズムの研究で有名な哲学者『アーネスト・ゲルナー
によれば、「政治的な単位と文化的あるいは民族的な単位を一致させようとする思想や運動」
であると言います。
また日本の政治学者『丸山 眞男』によれば「ナショナリズムとは、
ネーションの統一、独立、発展を志向し、推し進めるイデオロギーおよび運動」
と定義したことで有名ですね。

ちなみにネーションとは、ナショナリズムの言葉の元となった用語でもあり、
意味としては、「人々、親族、部族、階級、群衆」といった意味をもつものです。
ここでは要するに、何らかの属性(共通の神話や言語)を共有する同質的な
人間の集団を指していると言っていいでしょう。

言葉にしてみるとややこしく感じてしまいますが、実はこのナショナリズムという
概念や感覚自体は、普段から我々が常にメディアなどを通して感じ取っているもの
でもあるんですよね。

例えば、同郷である日本人が海外で活躍したり、日本の製品が海外で評価されたりして
いると、その当事者でないにも関わらず自分事としして嬉しく思いますよね。
他にも実際にそこに住んでいる訳ではなくても、自分たちの領土であると認識していたり
、またまた自国の経済が発展したりすると、当然ポジティブな感情を抱くはずです。
こうした事は全て、立派なナショナリズムであると言えるのです。

こんな事は「えっ?当たり前でしょう?」と思うかもしれませんが、実は
こういったナショナリズムという概念そのものは過去の壮絶な戦争や歴史を経て
生み出された近代社会の産物でもあるんですね...。
というのも、そもそも「国民」や「国家」というものが王侯貴族等を覗く
下流の人々の間で意識し始められたのはここ数百年の話であって、それ以前の
農耕産業を中心とする人々の間ではそもそも現代の様な「国家」や「国民」という
意識は殆ど存在しなかったと言えるのです。

それもそのはずで、過去の人々には現代の人々と異なって、そもそも集団の認識のレベル
(村や集落)が異なっていたというのがありますよね。
またその認識を拡張する手段としての教育も、一部の上流階層のみの特権として多くの
場合はそう施されてきたもので、多数の人々においては無縁なものでした。
特にこういった概念の源流ともなった西欧の戦争の歴史においては、それが顕著なもの
となっていました。

例えば、フランス革命などがまさしく「ナショナリズム」の歴史的な源流で、
国のことを一部の人間(王侯貴族)が決めていたことを、民衆が参政権
持つようになったことで国民意識が生まれるようになり、国の行事が
国民事となったことでようやく人々は「国民国家」を強く意識するように
なっていったのです。

こうして「ナショナリズム」が芽生えた国家は、国家としての結束が強まり、
また近代国家のような強力な国家を作り上げていったというわけですね。
しかしこういった民族等を意識する国民国家が自国を強固にしていく思想故に、
国際情勢が危ぶまれる思想という風にも捉えられるようになったのです。

ナショナリズムによって積み上げられた価値観が先行して、ナショナリズムのある
べき姿と照らし合わせた時に、ナショナリズム的に正しくないとされる国家に対して
、侵略を仕掛ける戦争の口実として利用されてしまうという側面があったのです。

自国と同類のルーツを持つ人々を敵国から解放するという名目の侵攻や、強まった
ナショナリズム故に領土意識が強くなり、かつての領地の領有権を再び主張するように
なったりなど、ナショナリズムは自国の結束を強固にする一方で、他国との国際情勢を
不安定なものにするといった負の側面は、現在の国際情勢と照らし合わせてみても
分かりやすい事柄なのではないかと思います。

ここまでの話を聞いてると、「ナショナリズム」って危険な思想なのでは?
と思われてしまうかもしれませんが、これに関しては一概に善悪を判断できるもの
ではありません。
というのも、冒頭に話した通りに、既に近代の国民国家の多くはこの
ナショナリズム」という意識が根付いていて、このナショナリズムなくして
近代国家の誕生はありえないものでもあったわけです。

このナショナリズムがあったからこそ、共同体意識を共有する国民達は自国経済を
発展させようとし、国のために進んで志願兵となり、より強力な国民国家へと変貌
していった、という流れがあったわけですね。実に考え深いものですねぇ。表裏一体の
思想というところでしょうか。

ということで今回は「ナショナリズム」についてでした。
ナショナリズムは世界を席巻させてきた思想とも言え、行き過ぎた民族主義愛国主義
新たな世界大戦の引き金を握っているとも言える。だが一方で国民国家という民族を結束
させ、強力な国家を作り上げる原動力ともなっている、そのような思想であるという
ことが分かったかなと思います。

改めてこの同郷的な意識の言語化を通したことで、見えてくる世界の情勢というものが
あると思いますので、ナショナリズム的視点から日々のニュースを、再度視点を捉え直して
考えてみるというのも面白いのではないかと思います。

それでは今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。お疲れ様でした。